WagtailBaseの指針

WagtailBaseは、Python/Django製のオープンソースCMS『Wagtail』を中心に、プログラミングとメディア運営をテーマに解説するメディアです。

運営者は『vaks』という名前のプログラマで、ベンチャーで働きつつ、個人でいくつかのWebサービスやメディア運営に開発・運用面で関わっています。

このページでは、WagtailBaseを立ち上げたきっかけや目標について共有し、運営にあたっての指針を示します。

WordPressはつらい・・という方に

メディア運営をするならWordPress』という言葉を信じてWordPressを使ってみたものの、その実装コストの高さや運用・管理の大変さに心が折れた、というメディア編集者やエンジニアの方はいないでしょうか?

私もかつてはその一人でした。

WordPressはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のデファクトスタンダードとも呼べる存在であり、世界中のウェブサイトの40%以上で利用され、数多あるCMSの中でも65%のシェアを誇るソフトウェアです。(参考

多くの人に利用されているため、本やインターネット上にも情報が豊富で、わからないことがあればほとんどのことはすぐに調べることができます。WordPressで開発をすることができるエンジニアも多くいて、運用・保守の安定性を重視してWordPressを選択する人も多いと思います。

しかし、実際に利用しているエンジニアやメディア運営者の声を聞いてみると、その利用者の数とは裏腹にネガティブな印象が拭えません

Wordpressは、、、

  • 表示速度が遅く、SEOで不利になることが多い
  • セキュリティの問題が多く、適切な対応をするにはコストがかさむ
  • プラグインをバージョンアップすると互換性や競合の問題で動かなくなることが多い
  • 記事の管理・編集画面のUI/UXが悪く、効率的な編集がしづらい
  • 実装面の独自ルールが多く、カスタマイズが難しい
  • Webフレームワークと紐づいていないため、本格的なWebサービスの開発には向かない

などなど、日頃の開発や記事の編集時に感じる不満がつらつらとでてきます。WordPressを利用したことがある方であれば、同様の悩みや不満を感じたことがあるのではないでしょうか。

エンジニア目線でも、このようなソフトウェアを扱うことは敬遠したくなりますし、そもそもPHPではなくPythonなどの汎用的で書きやすい人気のプログラミング言語を使いたい人も多いはずです。

実際にWordPressは、エンジニア向けの『最も嫌いなプラットフォーム』というアンケートで、ここ数年ずっと1位を獲得するという不名誉な記録もあります。(参考

最も嫌われているプラットフォーム

WordPressは世界中で利用されているソフトウェアではあるのですが、このような不満を持つ人がたくさん存在するのです。

少し極端ですが、WordPressはみんなが使っているから使われているに過ぎないとも言えます。もっとゼロベースでWebサイトの構築・運営を考えたときに、開発も記事の管理もしやすく、コスト面でもメディアとしてのパフォーマンスとしても最適なCMSは他にあるのです。

そこで私はWagtailを推します。

Wagtailは最も人気のあるPython製CMS

Wagtailは、Pythonで書かれたオープンソースのCMSです。WordPressと同じく、無料で利用することができ、メディア運営に必要な機能が一通り揃っています

Pythonはいま最も人気のあるプログラミング言語のひとつで、Webサービスの開発だけではなく、近年のAI(機械学習)やデータ分析の興隆によって注目度がさらに高まっています。Pythonはシンプルな文法かつ、綺麗な記述になりやすく、学習コストも低い上に汎用性も高いため、プログラミング初心者の方にもおすすめの言語です。そのため、WagtailのようにPythonで書かれたソフトウェアを用いて開発を行うと、効率的な開発が期待でき、保守もしやすくなります。

また、CMSとしての管理画面もシンプルでわかりやすい設計になっており、コンテンツ編集者にとっても使いやすいシステムを提供できます。記事の高速な検索、画像のクロッピング、フォームの作成、複数人での記事のレビューなど、効率的なメディア運営に欠かせない機能がたくさんあります。

Wagtailの管理画面

そして、Wagtailの最大の魅力はその柔軟性です。

Wagtailは、最も人気のPython製Webフレームワーク『Django』をもとにして作成されているため、Webサービスで用いられるあらゆる機能の追加が自由にできます。サービス上でユーザーアカウントの管理を行ったり、ユーザーからの投稿を受け付けたり、画像処理や機械学習などの技術も組み込みも可能です。

要するに、PythonでできることはなんでもWagtailに組み込むことができるといえます。

さらに、DjangoはフルスタックのWebフレームワークとして作成されているため、WordPressのセキュリティやプラグインの互換性、柔軟な機能追加のしづらさといった問題の多くが解消されます。Djangoの技術がベースになっているため、Web開発者にとっては学習コストが比較的低く済むことも魅力の一つです。

この柔軟性の高さが評価され、現在は世界中で利用者が増えています。Wagtailの公式サイトでも言及されているように、GoogleやNASAでもWagtailを利用したサイトを運営しており、その実用性の高さがわかるかと思います。

このように、Wagtailはとても良いCMSなのですが、まだまだ日本語情報が少ないです。そのためWagtailBaseでは、Wagtailを使ったブログやメディアの立ち上げ方法をわかりやすい記事とチュートリアルで解説していきます。加えて、PythonやDjangoの技術についても解説しますので、プログラミング初心者の方もぜひ学んでみてください。

収益を狙う、もっと効果的なメディア運営を

メディア運営の目的とはなんでしょうか?

個人であれ、法人であれ、最終的な目標は『収益化』ではないでしょうか?

メディア自体が無料か有料であるかを問わず、ユーザーの集客、教育を通じて収益を上げることを多くの方が目指していると思います。

自分でWebサイトを作ることは、それ自体がとても楽しいものです。一方で、そこから収益をあげることによってさらなる可能性も広がります。

私は大学生の頃に初めて自分のブログを立ち上げました。当時は日本発のブログサービスが数多く立ち上がっていた時期で、私も流行りに乗っかって雑記ブログを書いてみました。大したことも書いていないのに、他のユーザーから反応があったり、ブログサービスのランキングなどに載ると気分がよくなりました。おまけに、広告やアフィリエイトを貼ることで、それなりの収益を得ることができたのです。アルバイトのように実際の世界で働いていないにもかかわらず、ネットの世界からお金が入ってくるという感覚を初めて味わい、興奮したことを覚えています。

そこからは自分のWebサイトを立ち上げたい一心でプログラミングを学び、Webサービスやアプリを作り、プログラマとして働きながら個人でも収益を上げられるようになりました。

この過程で学んだ重要な点は、サービスは作るだけではダメで、集客・収益化までセットで考える必要があるということです。

純粋にプログラマとしての技術力があるだけではもったいありません。いくら良いサービスでも知ってもらわなければ、買ってもらわなければ意味がないのです。

そのためWagtailBaseでは、Webサイトの作り方などの技術を解説するだけではなく、メディアの運営方法、マーケティングやセールスなど、メディア運営全体についてもノウハウを公開していきます

これからの時代は個人でも法人でも、オンラインでのアカウントやメディアを持つことは必須です。

エンジニアであっても個人のブログを持つことで、収益化や個人のブランディングまで実現することができます。

効率的にWebサイトを作成し、多くのユーザーを惹きつけるマーケティングで集客を行い、的確な文言でセールスを行うことで、目標を達成しましょう。

必要なノウハウは『WagtailBase』で発信していきます。ぜひ『vaks』のTwitterもフォローしてください!